TradingViewは、株式指標や先物・FXなどのチャート表示や分析を行うことができる、無料でも使える多機能チャートツールです。
100種類以上のインジケータや50種類以上の描画ツールを標準搭載しており、多くのトレンド分析を行うことができます。
また、テクニカルインジケーターやチャートパターンなどのチャートを重ねて表示したり並べて表示できるなど便利な使い方ができます。
この記事では、TradingViewのログインからインジケーターの表示方法・描画ツールの使い方まで分かり易く解説しています。
TradingViewの使い方
GoogleなどでTradingViewを検索すると「TradingViewーすべての市場を追跡」と書かれた表示が一番上に出てくるので、ここをクリックします。
次のいずれかの画面が表示されるので、画面右上の「青の白抜き」で表示される「始めましょう」をクリックして下さい。
TradingViewを使うには、ユーザー登録が必要になるので、次の画面右上の「青の白抜き」で表示される「登録」をクリックします。
次に、ログイン画面が表示されるので、メールアドレスを登録します。
次に、メールアドレスのパスワードを登録します。
以上で登録は終了です。
登録が終了すると次の画面に切り替わるので、手始めにお目当ての銘柄コードを「ウオッチリスト」に登録してみましょう。
ウオッチリストへの銘柄コードの登録方法
画面右上の「ウオッチリスト」の右側にある「+」印をクリックします。
すると「シンボルの追加」と表示された以下の画面が表示されますので検索窓(赤い矢印部分)に検索したい銘柄名を入力して下さい。
検索したい銘柄のコードが分かっている場合には銘柄コードでも検索できます。
ここでは、現在表示されている任意のコードを消して仮に「トヨタ自動車」と入力して見ましょう。
すると、次のように「トヨタ自動車」が検索されます。
ここでは、トヨタ自動車の東証以外の証券取引所も表示されているので東京証券取引所(TEC)を選択します。
選択した時点でウオッチリストの一番下に選択した銘柄コードが自動的に登録されます。
次に、登録された銘柄コードをドラックしてウオッチリストの気に入った場所に移動して終了です。
目的の銘柄を表示する方法
ここでウオッチリスト登録された「トヨタ自動車」をクリックして見ましょう。
すると以下の画面に切り替わりますが、まだ目的のチャートは表示されていないので画面上部の「~高機能チャートで詳細を表示>」の部分をクリックして下さい。
これで「トヨタ自動車」の詳細なチャートが表示されます。
TradingView提供のチャート
ウオッチリストの銘柄コードを削除する方法
ウオッチリストに登録されている銘柄を削除したい場合には、削除したい銘柄コードにカーソルを合わせると銘柄コードの右側に「×」が表示されるのでクリックすると削除できます。
TradingViewのインジケーター表示方法
TradingViewのインジケーターの使い方について紹介します。
インジケーターを表示させるにはチャートの上部にあるツールバーから「インジケーター」部分をクリックします。
「インジケーター、指標、ストラテジー」の選択画面が表示されるので、検索窓から表示させたいインジケーターを選択します。
ここでは「MACD」と入力して検索して見ましょう。
検索されたいくつかの候補から目的に合った「MACD」を選択します。
次に「MACD」の選択が終了したら「インジケーター、指標、ストラデジー」の「×」をクリックして終了します。
すると、このように「トヨタ自動車」のチャートにインジケーター「MACD」が追加表示されます。
TradingView提供のチャート
※インジケーターは複数表示できますが無料版では一度に3つまでの表示になります。
インジケーターのパラメーター設定方法
インジケーターのパラメーター値を変更するには、表示されたインジケーターをクリックするか、インジケーター名をクリックするとインジケーター名の右側に歯車アイコンが表示されるのでクリックすると設定画面が表示されます。
設定画面のパラメーターの数値はデフォルト値ですが、相場環境に適した値にパラメーターを変更することができます。
パラメーターの設定、及びMACDの詳細については、別記事の で詳しく解説してますのでご覧になって下さい。
インジケーターの削除
インジケーターを削除するには、インジケーター名をクリックすると右側に表示される「×」印をクリックすると削除できます。
背景色(カラーテーマ)の切替方法
ここでチャートの背景色を白から「ダークカラー」に切り替える方法を紹介します。
画面左上のメニューボタンをクリックすると画面左側にダイアログが表示されますのでダイアログの中から「ダークカラーテーマ」をオンにすると画面がダークカラーに変わります。
また、チャート画面を右クリックすると表示される「カラーテーマ」をクリックして「ダーク」を選択することでも背景色を「ダークカラー」に切り替えられます。
画面の見やすさなど、お好みによって使い分けられます。
TradingView提供のチャート
このような画面になります。
TradingView提供のチャート
テクニカル分析の方法
テクニカル分析の中でもトレンド分析は、最も重要な分析手法であり、銘柄の全体的な方向性を決定する鍵となります。
また、オシレーターは、トレンドの変化の可能性を示す先行指標である為、オシレター分析として広く利用されています。
ここからは、TradingViewを使ったテクニカル分析の中からトレンド分析とオシレター分析の代表的な指標について解説します。
具体的には、前項で解説した「MACD」に加え「移動平均線」「RSI」「ボリンジャーバンド」についてパラメーターの設定方法から使い方まで解説します。
移動平均線
移動平均線には単純移動平均線(SMA)と指数平滑移動平均線(EMA)の2種類があります。
又、単純移動平均線は一般的に移動平均線(MA)と呼ばれることが多く、当サイトでは移動平均線(MA)と単純移動平均線(SMA)を区分けせずに使用してますのでご了承ください。
移動平均線の詳細については、別記事の(移動平均線の見方・使い方|基本的な設定方法と活用法)をご覧ください。
移動平均線は多くの投資家に意識されており、特に設定期間は多くの投資家に意識されやすい期間に設定することが大切です。
実際のテクニカル分析では以下の設定期間がよく使われています。
短期移動平均線
・5日移動平均線(5MA)
・25日移動平均線(25MA)等
中期移動平均線
・75日移動平均線(75MA)等
長期移動平均線
・200日移動平均線(200MA)等
移動平均線の表示設定方法
TradingViewを立ち上げて、トップページから「チャート」をクリックすると以前に使用したチャートが表示されます。
今回、「225日経」を分析する場合には「ウオッチリスト」から「225日経」を選びクリックします。
すると以下の「225日経」チャートが表示されます。
TradingView提供のチャート
次に、チャートの上部にあるツールバーから「fx」アイコンをクリックします。
※「fx」アイコンは、現在「インジケーター」に表記が変更になりましたので、ここから先で出てくる「fx」の呼び名は「インジケーター」に読み替えて下さい。
上図のように「インジケーター&ストラテジー」が表示されますので青帯の「内蔵」を選び、表中からSMA(単純移動平均線)を選択してクリックを行います。
次に、「インジケーター&ストラテジー」右上の「×」をクリックして「インジケーター&ストラテジー」を終了させます。
TradingView提供のチャート
上図のようにSMA(単純移動平均線)が表示されましたが、この状態では設定期間がデフォルト値の「9日」に設定されておりますので、希望する設定期間に変更を行います。
設定期間の変更方法
SMA(単純移動平均線)が表示されたチャートの、左上のMA9にカーソルを合わせると歯車マーク(設定)が表示されますので、クリックするとダイアログが開きます。
※設定期間のデフォルト値「9日」は「21日」と共に、欧米では一般的に使用されている設定期間です。
ここでは設定期間を、デフォルト値「期間9」から、国内では一般的な「期間5」に数値を変更してOKをクリックします。
期間設定の方法は、数値を直接上書きするか「^」表記をクリックして目的の期間に数値を設定して下さい。
次に、ダイアログの「パラメーター」を「スタイル」に切り替えます。
ここでは、移動平均線の色と太さが設定できます。
例として色を赤色、線の太さを上図のように設定すると下図のように表示されました。
TradingView提供のチャート
次に、25日移動平均線を追加表示します。
手順は上記の5日移動平均線と同様の手順となります。
TradingView提供のチャート
以上で移動平均線の設定は完了です。
RSI(相対力指数)
RSIの表示設定について解説いたします。
RSIの詳細については、別記事の(RSI(相対力指数)の見方・使い方|基本的な設定方法と活用法)をご覧ください。
RSIは直近の一定期間での終値ベースで上昇変動と下落変動のどちらの勢いが強いかを図ろうとする指標です。
直近の終値ベースの変動幅である、上昇幅の累計と下落幅の累計を合計して、そのうち上昇幅の累計が全体の何%になっているかを表しています。
それでは、チャートの上部にあるツールバーから「fx」アイコンをクリックして「インジケーター&ストラテジー」を表示させます。
表中のRSIを選択してクリックを行い、次に「インジケーター&ストラテジー」を終了させます。
下図のように、RSIが表示されました。
TradingView提供のチャート
パラメーターはデフォルト値の「14」に設定されております。
次に、「スタイル」でRSIの色と太さが設定できます。
ここでは、RSIの線の太さのみ変更しました。
TradingView提供のチャート
以上でRSIの設定が完了しました。
ボリンジャーバンド
ボリンジャーバンドの表示設定について解説いたします。
ボリンジャーバンドの詳細については、別記事の(ボリンジャーバンドの見方・使い方|基本的な設定方法と活用法)をご覧ください。
ボリンジャーバンドは、移動平均線とその上下2本の標準偏差からなる線で構成されており、株価の値動きが激しくなるとバンド幅が拡大して、値動きが小さくなるとバンド幅が縮小します。
移動平均を表す線とその上下に値動きの幅を示す線を加えた指標で、株価の大半がこのバンドの中に収まるという統計手法を応用したテクニカル指標です。
それでは、チャートの上部にあるツールバーから「fx」アイコンをクリックして「インジケーター&ストラテジー」を表示させます。
表中のボリンジャーバンドを選択してクリックを行い、次に「インジケーター&ストラテジー」を終了させます。
下図のように、ボリンジャーバンドが表示されました。
TradingView提供のチャート
ここで表示されているボリンジャーバンドはデフォルト値の「20日の2σ」ですので必要に応じて、「20日の1σ」や「20日の3σ」のパラメーターを追加します。
下図は「1σ」「2σ」「3σ」のパラメーターを同時に表示させた例です。
TradingView提供のチャート
以上でボリンジャーバンドの設定が完了しました。
TradingViewの描画ツールの使い方
ここからは、TradingViewを使った便利な描画ツールを紹介します。
始めに、チャートに書き込みを行う描画ツールは全てチャートの左側(赤枠内)に格納されています。
トレンドラインの引き方
トレンドラインは下記のアイコン(赤枠)をクリックすると引くことができます。
トレンドラインの引き方は起点と終点の線をつなぐだけです。
TradingView提供のチャート
描画したトレンドラインにマウスを合わせ、右クリックすると設定画面が表示されるので色や太さなどが設定できます。
マグネットモード
マグネットモードをオン(赤枠内のマグネットアイコンをクリック)にすると、トレンドラインなどを引く時に安値や高値などのポイントに簡単にポインティングできます。
ピッチフォーク
下図の赤枠内のアイコンをクリックするとピッチフォーク、フィボナッチなどが使えます。
XABCDパターン
下図の赤枠内のアイコンはエリオット波動、ヘッドアンドショルダーなどが書けるツールです。
ものさし
下図の赤枠内のアイコンでチャートの縦軸や横軸でどれ位の時間(日にち)が経過したのか、変動があったのかを計測できます。
下図のような使い方をします。
TradingView提供のチャート
TradingViewの便利な使い方
TradingViewのアラート設定方法
アラートは指定した価格に到達したタイミングで自動的に音やポップアップを出して知らせてくれる機能です。
チャートの右側にある時計のアイコン(赤枠内)をクリックすることで設定できます。
アラートで設定出来る項目は以下の通りです。
- アラートの条件
- アラートが鳴るしきい値
- 設定回数(1回・毎回)
- アラート設定期間
- アラートのアクション
- アラート音の種類と長さ
- メール・SNS送信
- メッセージ表示
チャートを重ねて表示する方法
チャートを重ねる方法には「比較」と「シンボルの追加」の2つの方法があります。
「比較」は画面左端をスタート地点(0%)として、いくら増減したかを表示させます。
「シンボルの追加」は株価の変動をそのままに、それぞれのチャートを重ねて表示するパターンと上下に並べて表示させるパターンの2種類があります。
『比 較』の表示方法(別銘柄を重ねて表示)
チャートの上側にある「⊕」をクリックします。
以下の表示が出ますので「比較」を選択して、下側に表示される指標から比較表示させたい指標を選択するか、企業比較欄に比較したい銘柄コードを入力します。
例えば、日経225とS&P500のチャートを重ねて比較・検討したい時などに重宝します。
以下のようにスタート地点を(0%)として各銘柄が重ねて表示されます。
TradingView提供のチャート
『シンボルの追加』の表示方法
上記の「比較」と同様に、チャートの上側にある(赤矢印部分)の「⊕」をクリックします。
次に以下の表示が出ますので「シンボルの追加」を選択して比較表示させたい指標、又は比較表示させたい銘柄コードを入力します。
以下のように各銘柄が上下2段に表示されます。
TradingView提供のチャート
このようにチャートを重ねて表示すると、視覚的に相関性が確認できるので便利です。
TradingViewの有料版について
TradingViewの有料版には、「Pro」「Pro+」「Premium」のランクがあるので簡単に紹介します。
なお、有料版では広告の表示がありませんので分析に集中できます。
Pro
価格:$14.95ドル/月
Proの機能
- チャート毎に5個のインジケーター
- 1つのレイアウトに2個のチャート
- 20個のサーバー型アラート
- 出来高プロファイルインジケーター
- カスタム時間足
- 複数の強化されたウォッチリスト
- 日中足でのバーのリプレイ
- デスクトップアプリのマルチモニター対応
Pro+
価格:$29.95ドル/月
Pro+の機能
Proの機能に以下の機能が追加されます。
- チャート毎に10個のインジケーター
- 1つのレイアウトに4個のチャート
- 100個のサーバー型アラート
- 10個のチャートレイアウトの保存
- イントラデイのエキゾチックチャート
- カスタム計算式に基づくチャート
- チャートデータのエクスポート
Premium
価格:$59.95ドル/月
Premiumの機能
トレイデングビューのフル機能が使えます。
- チャート毎に25個のインジケーター
- 1つのレイアウトに8個のチャート
- 400個のサーバー型アラート
- 無制限のチャートレイアウトの保存
- 秒足
- 期限切れのないアラート
- 4倍のチャートデータ(2万バー)
- 待専用インジケーターの公開
※ 価格は、変更になる場合がありますのでTradingViewの公式HPで最終確認を行って下さい。
まとめ
いかがでしたか?
TradingViewの基本的な使い方は、ご理解いただけたと思います。
TradingViewは少し慣れてくると、直感的に使用できるよう工夫されていますので、すぐに使いこなすことができると思います。
TradingViewは通常のトレードで必要となるテクニカル指標は殆んど搭載されています。
また、TradingViewには、有名なトレーダーの手法が「アイデア」として掲載されていますので、それらを参考にすることもできます。
是非、あなたにピッタリのTradingViewの使い方をぜひ探してみて下さい。
TradingViewは無料版でも十分に活用できますが、広告が気になる方は有料版へのグレードアップをおすすめ致します。
※この記事で使用しているチャートプラットフォームはTradingViewの提供です。
この記事が、皆様のお役に立てれば幸いです。